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【テーマ・内閣成立史 02】
クリック 20世紀
●桂内閣③の成立 (西園寺内閣②の終焉)
2個師団増設のための予算を得たい陸軍と、財政危機克服をめざす西園寺内閣②が対立。 陸軍は法体系の不備をつく奇策に出た。上原陸相が辞任し、後任の推薦を、陸軍の総意として拒否したのである。 軍部大臣現役武官制のもとでは、こうなると陸相の空席を埋めることができず内閣は不成立、総辞職以外に選択肢はなかった。 陸軍の重鎮として裏で糸を引き、西園寺を首相の座から引きずり下ろしたのは、またも山県であった。 「陸軍のストライキ」に世論は激しく反発し、後継首相の決定も難渋をきわめた。 開かれた元老会議の回数は実に二ケタを数え、めぼしい候補者にことごとく断られた元老たちは、 藩閥と陸軍への批判が高まる中、長州閥で陸軍大将の桂太郎をやむなく後継首相に推薦。 こうして桂内閣③は成立した。 ◎キングメーカー:山県有朋、井上馨、松方正義(以上元老)
●山本内閣①の成立 (桂内閣③の終焉)
世論の批判にも、合計8年近くも首相を務めた抜群のキャリアを誇る桂首相は自信満々だった。 新党構想で政友会の切り崩しを図り、これに失敗すると、即位早々の若い天皇に勅語を出させて、政友会西園寺総裁を封じ込め、 なお衆議院解散という切り札を出すタイミングをうかがっていた。 長州閥の横暴に憤る山本権兵衛が単身桂邸に乗り込んで辞職を勧告し、その足で政友会本部に赴き、 西園寺らを大いに励ましたのはこのときのことである。 休会明けの議会で桂は解散を決意、衆議院議長にその旨を伝えた。 大岡議長が指し示す窓の外には、閥族打破を叫ぶ群衆。 桂の脳裏に日比谷焼き打ち事件の悪夢がよみがえり、この瞬間桂内閣③は倒れた。世に言う「大正政変」である。 翌日内閣総辞職。即日元老会議は後継に山本権兵衛を推薦。政友会もこれを支持した。こうして山本内閣①は成立した。 ◎キングメーカー:山県有朋、井上馨、松方正義、西園寺公望(以上元老)
●大隈内閣②の成立 (山本内閣①の終焉)
シーメンス事件が発覚、海軍の汚職構造があらわになると、海軍の重鎮である山本首相に対する批判も高まった。 と同時に、海軍関係の予算に議会の承認が得られず、政府の提出した予算案が不成立となった。 この責任をとり、山本内閣①は総辞職した。 さしもの元老たちも、ここにいたってはもはや世論を無視することはできなかった。 元老会議が徳川、清浦の擁立に失敗した後、井上馨は発想の大転換を図り、国民に人気のある大隈重信の担ぎ出しに動いた。 旧怨を忘れて大隈の人気を利用し、政友会の力をそごうと考えたのだ。 大隈もこれにのった。こうして大隈内閣②は成立した。 ◎キングメーカー:井上馨(元老)
●寺内内閣の成立 (大隈内閣②の終焉)
第一次世界大戦の勃発を、元老井上馨は、日本にとって「天佑」と言ったが、 世論の流れが戦争によって変わることは、元老にとっての天佑でもあった。 大隈人気で政友会が総選挙に大敗、大戦を背景に陸軍2個師団増設案が議会を通過すると、大隈擁立の目的を達した藩閥・官僚勢力は、 立て続けの不祥事で人気にかげりをみせた大隈内閣②の追い落としにかかった。 大隈は、山県に辞職を約束して助力を乞い、それでようやく脱することができるほどの窮地に陥った。 だが、彼はここからが老獪でしぶとかった。山県との間に条件闘争を開始したのだ。 後継首相に“子分”の寺内をもくろむ山県に、大隈は加藤高明を主張してゆずらず、その間政権の座に居座り続けた。 総辞職にあたっても、天皇に加藤を推薦するという越権行為で山県を怒らせた。 憤慨した山県は、後継寺内で強引に元老会議をまとめた。こうして寺内内閣は成立した。 ◎キングメーカー:山県有朋(元老)
●原内閣の成立 (寺内内閣の終焉)
大戦景気による物価の上昇に遅れて、しかしその分だけ急激に米価が上昇しはじめ、売り惜しみや買占めが始まっていた。 社会不安が増大したが、政府はこれを警察力によって押さえつける方針だった。 富山のある漁村の主婦たちが実力行使で安価な米を買うことに成功し、これが新聞によって「越中女一揆」として全国に伝えられると、 騒動はたちまち全国各地に波及した。その規模は空前のもので、暴動鎮圧にあたった軍隊の兵力は、のべ75000以上と推定されている。 寺内内閣を批判する声はやまず、内閣はついに総辞職した。 原敬以外に後継を担いうる者がいないことはだれもが認めるところであったが、 政党政治を嫌う山県は、西園寺を後継首相に指名した。西園寺はこれを辞退し、自ら山県の説得にあたった。 こうして国民の期待を背負って原内閣は成立した。 ◎キングメーカー:山県有朋、西園寺公望(以上元老)
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