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畑陸相、単独辞任 (陸軍、後任推薦拒否)
1940/07/16
~ ドイツの快進撃にあせる陸軍の思惑 ~
taro's トーク
ああああああ
一、現情勢においては独伊と手を握り、大東亜を処理するの方針に出るの要あるべし。
二、現内閣にては外交方針の大転換困難なるにつき、より善き内閣の出現を前提として辞職しては如何。
三、自分は部下の統率上非常に困難なる立場にあり。
また益々困難を来す状況に立至るべきを憂慮す。
畑の表情は暗かった。
彼は米内倒閣に賛成ではない。
しかし今や青年将校たちは閑院宮までも動かして倒閣、三国同盟締結に盲進しようとしている。
謹直な畑にはそれを抑える政治力がなかった。
かつては米内の同郷の板垣が青年将校に突き上げられて米内に三国同盟を迫ったが、
今度は自分の番であった。
畑の胸中には寂寥感が吹き抜けていた。
七月十六日午前九時、畑陸相は首相官邸に米内を訪れて内閣総辞職について再度勧告した。
暑い日であった。
天井の扇風機の鈍い音が余計に首筋の汗を誘った。
米内は去る十二日畑が申し入れた三ヶ条について慰留して畑を返したのであるが、
陸軍報道部がそれから間もなく、畑の懐中に入っていた筈の三ヶ条を内閣に何の相談もなく新聞に発表してしまった。
ここまで陸軍の傍若無人の振舞いを見ては米内としても黙ってはいられない。
米内はいつもになく厳しい態度になって、(畑の回想による)
「いやしくも大命を奉じて内閣を組織した以上は大義名分がなければ、陛下の前に出て御暇を頂戴するとは言えない。
しかし、陸軍大臣はもはや他に方法なしとして辞表を出すのならば、後任を推薦してもらわねばならぬ」
と強い口調で言った。
「後任については三長官に計りますが、極めて困難と思われます」
豊田穣 「西園寺公望(下)」
P.381この本を入手
※ 「クリック20世紀」では、引用部分を除いて、固有名詞などの表記を極力統一するよう努めています。
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