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治安維持法改正①
1928/06/29
~ 強化された点 ~
「死刑」の導入 / 対象の拡大(共産主義者→国民全体)
taro's トーク
お役人様、政治家様のお仕事がそれはそれは大変なことは、taroはよくわかっているつもりでございます。
日々、私たち善良な国民のため、寝る間も惜しんでやってらっしゃることはよく承知しているつもりでございます。
ただ、ゆっくり休む間もないからでございましょうか、発想が少しおバカなような気がするのでございます。
治安が心配だからと治安維持法を作り、まだ心配だからとそれを改正強化する、そうしてびしびし取り締まる、
それで事足れりとするのはいかがなものでございましょうか。
すこおし哲学されてはどうかと思うのです。
社会にひずみが生まれるにはそれなりの理由がございましょう、大きなひずみがうまれるにはこれまた相応の理由がございましょう。
それが何なのか、そこを考えずに、取り締まりばかりに励んでも、ザルで水をすくうようなお話。
先々のことを考えますと、結局何の役にも立たないばかりか、いたずらに時を浪費して、社会の病を手遅れの状態にしてしまうのではないかと、
taroはそこが心配なのでございます。
それとも、お役人様、政治家様がたは、退官後、引退後のことは知ったこっちゃねえと。まさかそういうことでは。
そんなこと、あろうはずがございませんわねぇ、おホホホホ。
どうぞおカゼなどお召しになりませんよう。かしこ。
引用田中内閣は三・一五の大量検挙を行なったあと、警察の発表や右翼の活動によって共産主義の恐怖をあおり、
治安維持法を改悪し、最高刑死刑とする苛酷な法案を用意した。
しかしこの法案は議会に提出されたが会期が短かくもとより通過の見込みはなかった。
そのため政府は急いで五月七日議会を閉会し、議会でまったく審議も行なわれなかった改悪案を、
六月二九日緊急勅令によって公布した。
佐々木敏二 「山本宣治(下)」
P.252この本を入手
引用六月二九日、勅令第一二九号「治安維持法中改正緊急勅令」が公布された。
これは四月二七日政府より第五五議会に提出され、審議未了となったものとほとんど同一のものであった。
その要点は第一条の改悪であり、
第一条 国体ヲ変革スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シタル者又結社ノ役員其ノ他指導者タル任務ニ従事シタル者ハ
死刑又ハ無期若クハ五年以上ノ懲役又ハ禁錮ニ処シ情ヲ知リテ結社ニ加入シタル者又ハ結社ノ目的遂行ノ為ニスル行為ヲ為シタル者ハ
二年以上ノ有期ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
私有財産制度ヲ否認スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シタル者結社ニ加入シタル者又ハ結社ノ目的遂行ノ為ニスル行為ヲ為シタル者ハ
十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス
というものである。
緊急勅令は「公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル為緊急ノ必要ニ由リ」(大日本帝国憲法第八条)という要件を必要とする。
第五五議会に政府が提案したとき、政友会内部にも反対があり、まして野党や無産政党、学者はこぞって反対の声をあげていた。
政府が議会での成立をさけた法案に二ヵ月もたたないうちに「緊急の必要」が生じたとは誰にも考えられなかった。
その審議にあたった枢密院では、久保田譲、江木千之、松室致などが強硬に反対し、政府に再考をせまり、
年末の通常議会での議案とするようにとせまった。
しかし枢密院の委員会では五対三、枢密院御前会議では一二対五で承認された。
若槻内閣が要請した財政危機救済の緊急勅令を拒否した枢密院が、さほどの緊急性もない治安維持法改悪案を承認した。
しかしさすがに枢密院も、あまりに肩入れしている姿勢なのを感じたのか、
緊急勅令の濫用に警告を発し、社会政策による国民生活の安定に努力するようにとの条件をつけざるをえなかった。
しかし事情はどうあれ、緊急勅令によって死刑法・治安維持法が即日施行されることになった。
これが社会民衆党、日本労働党をより一層右傾化させ、右翼団体の活動をより活発にさせ、
新党準備会の活動をより困難にさせて行くのである。
佐々木敏二 「山本宣治(下)」
P.256この本を入手
※ 「クリック20世紀」では、引用部分を除いて、固有名詞などの表記を極力統一するよう努めています。
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